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曲作りの過程の中で、個人的にすごく苦手なものがあります。
それは…曲名をどうつけるか!なのです。
曲名、それは時として、一瞬でリスナーを惹きつける大きな看板の役割も果たします。これをどうつけるかが、いつも悩みの種なんです。
曲名にまつわるものでいくつか有名なエピソードをひっぱりだしてみますと、例えばベートーベンの交響曲第5番『運命』。
これはベートーベンが難聴や失恋といった自身の過酷な運命に対して『運命が戸を叩く』と言ったことから由来していますが、実はこの曲を『運命』と名付けたのは日本のレコード会社だそうで本人ではなかったのです!
しかし運命とつけば、聴いている側にはグッとくるものがありますよね。曲名の重要性が伺えます。
他にも面白いものとしては武満徹の『ノヴェンバー・ステップス』という曲。
琵琶と尺八とオーケストラからなるこの曲は11の段(部分)からなる構成なので、11を11月、段を階段に例えてノヴェンバー・ステップスと付けているのです。
人によって感じ方は様々だと思いますが、曲名でいつも悩む自分としては、なんてセンスのいい付け方をするんだろうと、脱帽です。 |