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2007年1月22日更新 →バックナンバー
《音楽舞台裏C〜新春特別編》


 みなさまこんにちは。アベタカヒロです。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 さて、新年最初の記事は趣を変えて日本の伝統芸能、“歌舞伎”にスポットをあててみたいと思います。…とは言いましても、演者としての経験は当然なく、舞台裏というわけにはいきませんので、お客さんとしての立場で述べていきたいと思います!


音楽舞台裏C〜新春特別編  写真は銀座の4丁目に佇む歌舞伎座です。都心に突如このような建物が現れるのは面白いところです。
 ここで毎日のように昼と夜の部に分かれて歌舞伎が上演されています。
 歌舞伎とはその名が表すとおり、“歌・舞・伎(=技)”の3要素が織り成す日本の総合芸術といってよいでしょう。
 それは西洋でいうところのオペラと双璧を成すものだと思います。
歌舞伎の場合は長唄や浄瑠璃、日本舞踊などが盛り込まれているというわけです。


女形のある理由
 ご存知のように、歌舞伎では「女形」といって、女性の役も全て男性が
演じることになっているのですが、そもそもなぜなのかと調べたところ、
どうやら歌舞伎の語源に秘密が隠されていました。


 実は“歌舞伎”とはただの当て字で、実際は「常軌を逸した、異様な風体」などの意味をもつ『傾(かぶ)く』という動詞の名詞化によるものなのです。
江戸時代、出雲の阿国という女性が京都の四条河原にて、男装をして非常に派手な風俗を盛り込んだ「かぶき踊り」が注目を集め、他の遊女たちも真似をするようになっていき、「女歌舞伎」というジャンルが流行りました。
 しかしこれが風紀上の問題により禁止され、次に台頭したのが少年らによる「若衆歌舞伎」というものだったのですが、これも同様の理由により
禁止。そこでついに一般の成人男性による「野郎歌舞伎」が誕生することとなり、女性も全て男性が演じることになったのです。
 これが現在の歌舞伎につながっていったというわけです。


時間のない方のために…
音楽舞台裏C〜新春特別編
 昼と夜の部それぞれがいくつかの演目によって構成されており、全部でだいたい4〜5時間を要する長大なお芝居です。
 しかし歌舞伎座にはその中の一幕だけを見れる一幕見席というものが用意されていて、時間のない人でも楽しめるようになっています。
 写真ではよくわからないかもしれませんが、この一幕見席は全く別の入口から入場することになり、売店なども通らずに席に直結するようにできています。ちょっと寂しいですが、実は僕はまだここからしか入ったことがないので、時間のあるときには堂々と正面から入場してみたいなと考えています。


音楽舞台裏C〜新春特別編  お客さんの雰囲気は静かに聴くクラシックとはうってかわって、役者が登場したり役を演じきった後に「○○屋!」などの掛け声を飛ばしたりして非常に活気に満ちています。
 日本の伝統芸能が世界に誇れるものであると実感するとともに、日本人としてのアイデンティティーを抱く瞬間でもあります。



取材日:2007年1月17日/取材記者:アベタカヒロ


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