くまがやねっとは、埼玉県熊谷市近隣の情報をお届けする非営利のコミュニティサイトです。
HOME
>海外だより
お気に入りに登録する
お友達に紹介する
ツイート
2013年9月20日更新
バックナンバー
デンマークの結婚事情
留学や仕事で海外にすんでいる方にメディアを通した目ではなく、
ご自分で見たこと、聞いたことを伝えていただくコーナーです。
第68回目はデンマークにお住まいのゆみぞうさんがお送りします。
事実婚は一般的
日本では男女が付き合いを始めたのち、結婚を意識して同棲をスタートすることが多いと思いますが、こちらの若者はもっとカジュアルな感じで一緒に住み始めます。付き合いが長くなり、本人達の意思で子供を作る事もありますが、予定外にできてしまうことも少なくありません。しかし子供が出来たからと言って、日本のようにすぐに結婚しなくては、という考えは全くないようです。けじめという単語はデンマーク語には無いと思います。いわゆる事実婚はこちらではかなり普通で、ちなみに私達も籍を入れていません。ワーキングパーミットをもらい、1年半以上デンマーク人と同棲したので、結婚した人と同じビザが下りたからです。
共同の財産購入時に籍を入れる事も
子供が増え、車や不動産を購入する際、共同名義にしたり、税金対策の為に結婚する人がたくさんいます。その際、教会税を払っている人は教会にて結婚式を挙げる事が出来ますが、そうでない場合(または大げさに開きたくないという場合)は市庁舎にて5分ほどの簡易な式を挙げます。
2012年12月12日など、語呂がいい日にはたくさんの希望者が募り、一日に何組ものカップルが誕生しました。式の後は日本のような格式張った披露宴ではなく、アットホームなパーティーを開きます。
私の義理の弟の場合、近くの公園にて、親しい友達と家族とテイクアウトのサンドイッチを食べながらお祝いしました。
義理弟達の式、市庁舎にて。子供達も一緒。
市庁舎出口にて。ホッケー仲間がアーチを作ってお祝い。
式の後、公園にて。踊る新郎新婦と見守る仲間達。
離婚率もかなり高い
結婚もカジュアルですが、その分離婚も多いです。夫婦仲が悪くなっても子供の為に我慢する、という考えはあまり無く、お父さんとお母さんの仲が悪くなったら子供に悪影響を与えると考えるのが一般的で、簡単に離婚に至ります。
1990年から2000年に結婚したカップルの41%が離婚していると言うデータがあります。日本のように、慰謝料の金額や親権を争ったりすることがないので、離婚率が高いのでしょう。その後もお互いの近くに住み、子供達は週代わりでお父さんとお母さんの家を行ったり来たりします。クリスマスをお父さんとお父さんの新しい彼女とその子供、そしてお母さんとお母さんの新しい彼氏と一緒に過ごす、なんて事もあり、日本人的な感覚を持った私は時々びっくりしてしまいます。
同性婚が世界で初めて認められた国
個人の権利がかなり重要視されるこの国では、1989年に世界で初めて同性間の準婚姻制度が導入されました。これによって相続、扶養、財産、社会保障、税金などは、異性間夫婦と同じ扱いを受けられる事になりました。さらに昨年の6月、婚姻法の修正の法案が可決され、それにより教会にて式を挙げる事が可能になりました。
女性同士のカップルで、妊娠、出産をしてお互いの子供として育てている人たちがたくさんいます。2010年以降は婚姻関係がある場合には養子縁組も認められる事になりました。ただ、同性婚をした人たちの子供が成長していくにつれ、子供達のメンタルな問題が将来的に起こるかもしれません。それをどうサポートして行くかが彼らのこれからの課題になると思います。
結婚も離婚も日本に比べると自由で羨ましいと思う反面、複雑な人間関係を生み出すこの状況はいかがなものだろうかと頭をひねります。もしかしたらこれは先進的な形で、日本もいずれはこのようになるのかもしれません。
取材者:ゆみぞうさん
バックナンバー
HOME
Pageの上へ
みんなのコミュニティサイト「くまがやねっと」
Copyright© くまがやねっと. All rights reserved.
運営会社:
大和屋株式会社