この本は、野球少年たちの物語です。主人公の巧は野球にしか関心のないような、少し大人びた小学生です。そんな巧が引越していった田舎で出会ったのが、バッテリーを組むことになる豪という少年やその友人たちでした。病気がちだけれども、巧に憧れて野球をやりたい、と思う弟の存在や、一見、付き合いづらそうな巧とも、すぐ打ち解けてしまう優しい豪という存在。
また移り変わっていく山の自然と共に、巧の心も成長していきます。
野球に興味がない人でも、そんな少年たちの何にでも真正面から全力で向き合っていく姿勢には、心を動かされると思います。
U、V・・・と巧たちが中学生になってからの続編も出ていて、そこでは巧の初めての敗北などが書かれています。『バッテリー』は本を読むにつれて、自分も一緒に少年たちと成長していけるような、おもしろい本です。 |