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くまがやねっと おりおり写真紀行 西田昌稔さん
2010年5月15日更新 →バックナンバー

今回のテーマ

第48回 骨波田のふじ



樹齢六百五十年の巨大フジ

 今年、本庄市児玉町高柳の長泉寺には二度足を運んだ。一度目は
5月3日、二度目が5月14日である。
 インターネットで、開花状況を調べてみたら、5月7日には、花房が
80cm、花は8分咲きの予想であった。5月の連休に入って天候も順調だったので、陽気につられて出かけて行った。だが、開花状況は予想に反して、房が短く、花は、ほとんどが蕾であった。
 5月14日は晴れの天気。朝方は風が冷たかったが、昼近くになると気温が上がってきた。例年に比べると花房は短いように感じたが、花は8分咲きほどであった。新緑を背景に彩りも一段と美しく感じられた。
 長泉寺は、児玉町の市街地から南へ県道秩父・児玉線を秩父方面へ
3`ほど山間地に入った、小山川支流沿いの三方山に囲まれた静寂な
自然景観に恵まれたところにある。
 境内の本堂前の両側に一対、大きな棚を広げているのが、「長泉寺骨波田の藤」の名称で親しまれているフジ。県指定の天然記念物で、推定樹齢が650年、棚の広さは5百平方bに及ぶ。和名はノダナガフジ。
 以前、ノダナガフジの花房は1.5mの長さに達して見事な花を咲かせていたそうである。


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フジに囲まれた長泉寺


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本堂前のノダナガフジ


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ノダナガフジの1bほどの花房


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横から観たノダナガフジの花房


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本堂の前、ノダナガフジ樹齢650年の幹


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本堂の前、南側の樹齢550年の幹

伝説の白フジ

 本堂前庭の南側に、樹齢270年と推定されている白フジが棚を大きく広げている。この白フジには伝説がある。
 宝暦3年(1753)、仏国哲眼大和尚が伊豆最勝院より、当寺第19世として入山の際、山路で供の荷の紐が切れて困っている時、谷間の岩肌に咲く藤のつるを切り、荷物をゆわえて入山した。当寺の片隅に捨てたフジの蔓が、この巨大樹の藤になったと伝えられている。


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山門から俯瞰の白フジの棚


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白フジの花房


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滝が流れるような白フジの花房

 住職のお話によると、5月19日(水)を過ぎると、花房を切り取る予定だそうである。ただし、天候の状況によっては変更になるとのこと。来週に行かれる方は、長泉寺に問合せてから行かれたほうがよい。


取材記者:西田昌稔

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