赤城山は秋晴が見られず、曇り勝ちで山並みには霧が覆っていた。小沼の入口には熊出没注意の立て看板があった。いつも同行をお願いしているSさんが、リックの中を探している。錫を取り出そうとしているが無い。私の携帯ラジオを最大音量にして鳴らしながら歩き出す。
どんよりとした小沼周辺は、人っ子一人いない。熊とバッタリと出会いそうな雰囲気があったが、二人の過敏な思い過ごしであった。撮影はそこそこにして、覚満淵へ移動。ここは旅人が多く賑わっていた。薄日が欲しいがまだまだ厚い雲に覆われている。草紅葉も色彩が冴えない。
大沼湖畔にあるもとき亭で、手打ちお切込みうどんを食べる。出発が早かったのでSさんも私も空腹を感じていた。もとき亭の2階には、油彩、水彩の風景画が飾ってあった。赤城山や妙義山、外国などの風景画が百点近く。奥さんの本木茂子さんが描いたものである。美術展での受賞作品が多く、見応えがある。奥さんに情報を頂き、帰途、25番カーブ近くの原生栗林にある樹姿の美しい枯巨木を撮影した。樹木に大変興味を持っているSさんは熱心に撮影されていた。 |