|
|
写実を超えた世界を描く 井上司さん |
(Mamoru Inoue) |
|
井上 司さん(49歳)は、岡山市出身で熊谷市大麻生に住んで28年の看板屋さんです。子供の頃は漫画家になりたかったそうですが、夢だけで終わっても絵がやりたい気持ちは消えず20歳ぐらいから通信教育で本格的に勉強を始めたそうです。 |
26歳から油絵を始め展覧会にも出展をし、日曜画家的にマイペースで作品を制作してきたそうです。本人曰く「スタートが遅くエンジンが掛かるのも遅くて・・・」とおっしゃいますが、全国公募2002年「川の絵画大賞展」でみごと大賞を受賞されました。 |
全国公募 第5回 川の絵画大賞展
大賞 水辺の詩 |
20歳で勉強をはじめ「25年後にプロの世界に入りたい」と計画を立てて、焦らず制作活動をしてきたそうです。42歳で退職し自営の看板屋さんを始めてからは、製作時間もたくさん取れるようになったので、予定より3年早く絵描きになったそうです。
今では、年間40〜50点を製作し、毎年定期的に銀座と伊勢崎で個展を開いています。 |
|
93年頃からコンテスト出品の為の作品を制作し始めたそうで、テーマは「子供」。
幼さ=あどけなさ 大人が見た時に守りたい存在は、美の大きなテーマとして求心力があるとの事。親の立場から日常を描き自然・あどけなさが評価されたと言われますが、製作には写真を使うそうです。
「良い写真が無いとよい絵は出来ない。カットの組み合わせをして構成していく」そうですが写真の腕前もなかなかなもので、やはり天性があるんですね。 |
数年前には、内面的なものから噴出してきた想いから抽象画にもハマッタそうですが、自分の資質ではないということが判り写実に返ったそうです。
今では以前より自由な気持ちで製作ができるようになり、現実を描いているが『現実を超えた世界』の表現が出来るようになり、心象的世界が出てきたそうです。
写実を超えた世界が自然に出たことは、1度自分の写実を捨てたことで可能性が広がり多面性が出せたとのことで、コレクターからは『捉えどころのない不思議な作家』と評価されているそうです。 |
|
現在は同時進行で6つのテーマを描いているそうです。
◎空シリーズ 雲・月・空
◎水シリーズ 滝・川・水+花
◎静物シリーズ 貝殻・ビー玉・花・果物
◎太古シリーズ 化石をモチーフにしてイメージする幻想的な世界
◎遠い日シリーズ 自分の子供などをモチ
ーフに過去を懐かしむ風景
◎風景シリーズ 赤城山を中心に一般的な風景 |
最後に今後の方向性を伺うと、「製作に行き詰まることもありますが、好きな絵を続けて行きたい。その為にも1回々々の個展が勝負で結果が出なければ次が無い。だから面白い!」と熱く語ってくれました。 |
|
|