昨年9月、埼玉県から「歴史のみち景観モデル地区」の一つとして妻沼地区が指定されました。
今回は「歴史のみち景観モデル地区」にスポット当ててみました。
埼玉新聞(2011年9月5日付け)
熊谷市妻沼地区(熊谷市妻沼、妻沼聖天山周辺)選定の趣旨は下記の通り。
「斉藤実盛が祀ったと言われる妻沼聖天山を中心に門前町として栄えた場所。この6月に7年に及ぶ大修理を終え一般公開されている極彩色の本殿は見応えがあり、特徴的な屋根形状の山門も地域のランドマークとなっている。聖天山へアクセスする商店街では、街中ギャラリーや絵看板の設置など歩いて楽しめる道づくりが地域によって取り組まれている。」
埼玉新聞9月5日付けで大きく取り上げられました。
埼玉県ホームページ 田園都市づくり課で詳しく知ることがでます。
昔の街道と賑わい
妻沼聖天山は2本の県道に接しています。東側を南北に走る県道太田熊谷線と南側を走る県道本庄妻沼線です。この2つの道は、聖天山参拝の道として古くから利用され、街道に沿って商店街が形成されました。
明治35年(1902年)に発行された埼玉県営業便覧に当時の門前町として栄えた商店街の様子が分かる配置図が掲載されています。ちなみに、県道本庄妻沼線は上州尾島道と呼ばれ、門前町の約700メートルの街道の両脇に60を超す商店の軒が連なっていました。現在の商店数は1/3に減っています。
現在の県道本庄妻沼線
明治から大正時代に建てられた建物が残されていますが、空き店舗や空き地となっている場所も少なくありません。街並み景観も一部を除き往時の門前町の賑わいは感じられなくなっています。
新たな動きと課題
歴史の道の活性化を目指した動きは始まっています。平成21年(2009年)1月に第1回目が開催された手づくり市です。
1回目の参加者9組でスタートした手づくり市は、10回目を迎え、関係者の皆さんの取り組みにも熱が入り、140組が既に申し込みされているとのこと。
手づくり市の活動が、空き店舗の活用につながり賑わいの回復につながりつつあります。
しかし、課題もあります。改修の終わった聖天山本堂の見学と参拝者は増加しているものの、周辺へ足を伸ばしまち歩きする人の姿はまばらです。
町家の保存と活用、新たな企画事業の実施と、今回選定された「歴史のみち景観モデル地区」の趣旨を更にPRする必要を感じます。 |