――――――<説明書より・乳癌の症状と各部の説明>――――――
1.腫瘤(しこり)
乳癌の80〜90%は痛みのない“しこり”として触れます。@、Bは硬く、表面不整で癌の疑いがあります。Aは比較的柔らかく良性を思わせますが、腫瘤を触れると癌の疑いがあります。この様な“しこり”は毎月ていねいに手の平で乳房に触れ、早期発見につなげます。入浴時に施行するのが簡単です。
2.リンパ節転移
両腋窩(わきの下)C、頸部Dに硬いリンパ節が触れます。
3.乳頭の変化、分泌物
授乳期でないのに乳首を圧迫すると分泌物が出たり、下着に付着することがあります。分泌物は水様、漿液性、血性などがあります。血性の時は特に注意を要します。乳頭の変位(かたより)、陥凹(くぼみ)Eがある場合や湿疹様変化(ただれ)Fが見られる場合もあります(Paget癌)。
4.皮膚の変化
癌が皮膚に波及すると陥凹し“えくぼ”を形成しますG。特に乳房を何らかの方法で動かすと現れやすく、さらに進行すると潰瘍を形成します。乳房の皮膚に部分的浮腫(はれ)が見られ、毛孔がよくみえ、オレンジの皮様外観を呈しますH。また部分的に発赤、腫張(赤くはれる)が見られることがあります。通常痛みや熱感はほとんどありません(炎症性乳癌)I。 |