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熊谷人物伝 |
第39回 松井 貞夫さん(まつい さだお) |
2008年1月27日更新
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松井 貞夫さん |
今回ご紹介するのは、切り絵の松井貞夫さんです。松井さんは学生時代、体操部に入部しており、同じ大学の先輩には“鉄棒の神様”と言われた小野喬選手がいました。東京オリンピックの個人総合優勝者の遠藤幸雄さんは同窓だとのことです。
さて、切り絵と言われて皆さんはどういうものをイメージしましたか?舞台で話しながら、三味線を伴奏に、はさみを動かして紙を切り抜いていく芸事を思い浮かべた方はいらっしゃいませんか?あれは、“きり紙”と呼ばれているものです。きりえは切った紙を台紙に貼って作るもので、“紙の版画”のようなものです。
松井さんは、新聞に連載されていた滝平二郎さんの切り絵を見たのがきっかけで、興味を持ちました。定年の数年前に、3年間通信講座を受け、平成11年には切り絵クラブの講師として指導するまでになりました。第39回一期会で評論家賞受賞、日本の自然を描く展で2回入賞されました。現在、日本きりえ協会に所属し普及に努めています。 |
下絵 完成品 |
作品が出来上がるまで
製作過程は、
1、作品にしたいものを決めて、デッサンをする。
2、黒のフェルトペンや毛筆を使って白と黒に塗り分ける。(下絵)
3、下絵を黒和紙に重ねてカッターで白と黒を切り分ける。(原画)
4、原画の後ろから色紙を貼ればカラー作品、
貼らなければモノクロ作品となる。
いかに省略しながら、現したいものの雰囲気を表現できるかということを心がけ、大作は約1ヶ月かけて作製します。 |
日本の自然を描く展 入選
「波浮港浅春」 |
醍醐味、魅力
「まず、周囲にある自然や人々の生活の中から、心を動かされた光景を切り取ってデッサンをしますが、よい題材がみつかったときは、とても嬉しいものです。デッサンしたものは、光と陰に塗り分けて下絵をつくりますが、これを黒和紙に重ねて上からカッターで彫るように切りますが、切るという作業はとても心が和みます。切り終えた黒和紙を光にかざして出来栄えを確認する瞬間は最高に胸がときめきます。」と作品作りの魅力をお話してくださいました。 きりえからは、水彩、油絵、写真等とは違う温かさが伝わってきます。 |
教室風景 |
これからは・・・
2008年3月7日〜3月19日 くまがや館で童謡や唱歌にちなんだ作品を中心にした、『心のうたのきりえ展』を開催します。期間中に童謡のコンサートを開催する予定です。詳細が決まり次第、くまがやねっとに掲載しますのでお楽しみに。
これからは、「一人でも多くの方にきりえを体験していただき、一緒にきりえ展を開催し、更なる普及を図りたい。」とお話してくださいました。
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