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熊谷人物伝

第74回　各務　ひとみさん（かがみひとみ）

2009年7月15日更新

各務ひとみさん

プロフィール
　今回は、旧江南町出身のガラス作家　各務ひとみさんをご紹介します。各務さんは大学卒業後、ガラスとは無縁の世界に就職しましたが、大学4年生の時に見た作品の強烈な印象を忘れられず、1年で退職し能登島ガラス工房、次いで富山造形研究所へ。そこで3年間学びました。
　ガラス作家を目指すきっかけとなった作品は、「20世紀ヨーロッパ工芸展」（東京都庭園美術館で開催）に出品されていた、チェコ人のガラス作家　チェズラフ・ズベールのもの。作品からみなぎるオーラに魅了され、この作家に憧れると同時にガラス作家を目指すことになりました。石川・富山で基礎を学び、見聞を広める為、アメリカ・ドイツへ渡り、ガラスについて様々なことを学びました。

各務ガラス工房外観

ガラスの魅力
　「まず素材自体が美しく、透明で光を通すことですね。技法や表現方法によって表情が千変万化する独特な世界観が好きです。」と各務さん。ここからは、専門家として、「例えば、キャストという鋳造の技法を用いると、ムクのガラスの力強い重量感を表現でき、吹きガラスでは薄くて繊細で躍動感ある表現が出来ます。フュージングという窯で焼成する技法では、色板ガラスを重ね合わせることで新しい色が生み出せたり、ガラスは私にとって無限の可能性を感じる素材です。」とガラスのようにキラキラ輝いた表情でお話して下さいました。

各務ガラス工房をオープンしました！！
　2009年4月1日に『各務ガラス工房』を熊谷市末広にオープンしました。インテリアパネル、表札、オブジェなどのオーダーメイドの他、ガラス教室、体験教室なども開講しています。
詳しくはこちらからどうぞ。

展示作品

くまがや館にて展示会開催
　『金魚のインスタレーション』と題し、各務さんの作品展を
2009年7月24日～7月31日に開催します。
　作品展では、左の写真のようなものを展示します。各務さんは、「金魚やメダカなど、おさかなを眺めるのが好きで、水の中を自由に泳ぐ姿を見ていると気持ちが癒されるんです。」とのこと。そこで金魚を丸いガラスの玉の中に入れて、天井から沢山吊るして癒しのお魚空間を作ります。
この作品の工程をお聞きしました。
　「工程はとてもシンプルで、吹きガラスという技法でとにかく丸い玉を沢山作ります。金魚の色の綺麗さが出るように透明にするのがポイントです。玉の底はガラスを少し厚めに作り、水を入れることによって起こるレンズ効果を狙っています。」（各務さん）

室内パネル

目標
　「フランスのポンピドゥーセンター前に広場があって、ニキドサンファールという作家のオブジェが噴水になっていて楽しい憩いの空間になっています。私はそのユーモラスな噴水たちを眺め、とても楽しい気持ちになりました。街中にさりげなく楽しいアート空間があって人々がそこへ集う。日常生活とアートの融合ですね。熊谷をそんなステキな街にしていければいいなと思います。
　普段は住宅など建物に嵌め込むガラスパネルやガラス表札などを制作しています。施主さんのイメージや想いを形にし、ガラスに閉じ込める。先日の依頼は、「新婚旅行で沖縄へ行き、海ガメと、とても感動的な出会いをした。その時の感動を表札として形に残したい。」というもの。依頼の内容は様々ですが、施主さんの気持ちを汲み取りながらより良い造形、より喜んでもらえるよう、今後も自分の腕を磨いていきたいと思います。」（各務さん）

取材日：2009年6月28日／取材記者：みいちゃん

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