くまがやねっと　特集　熊谷人物伝

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熊谷人物伝

第89回　権田　清志さん　（ごんだきよし）
　　　　　権田　幸子さん　（ごんだゆきこ）

2010年3月7日更新

権田さん　ご夫婦

　今回ご紹介するのは、熊谷市唯一の蔵元、「権田酒造」の六代目社長の権田清志さん、幸子さんご夫婦です。
　「熊谷」と聞いて「酒蔵」をイメージする人はあまりいないと思いますが、荒川と利根川が最接近する場所にある熊谷は、伏流水が豊富なうえ米どころであり交通も至便なため、酒造りには適地なのだそうです。また、県内には３５の蔵元があり、生産量も全国６位
（帝国書院より　清酒(濁酒を含む)の生産〔2007年〕）と、意外にも埼玉は日本有数の酒どころでもあったのです。近江、新潟、地元の３系統があり、「権田酒造」は近江の流れを汲んでいます。

権田酒造	新酒の時期到来　今年もいよいよ新酒の季節がやってきました　仕込みは１１月からはじまり、現在しぼりたてのお酒が店頭に並んでいます。３月初旬には、年明けから仕込んだお酒が出荷されます。同社では地元産のお米を中核としてお酒造りをしています。吟醸酒や純米酒、本醸造はすべて「さけ武蔵」という熊谷産の酒造好適米を使い、普通酒にも麹米として使っているそうです。「直実」の名を冠した各種商品を柱に、初代より受け継ぐ「清太喜（きよたき）」等を製造・販売しています。

酒蔵

社交家の権田さんご夫婦
　同社は三ヶ尻地区の閑静な場所にあり、大正８年（１９１９年）に
建てられたという趣ある店舗（兼住居）は文化財に推す声もあったほど。同じく趣のある隣家と相まって、この一角はまるで時が止まったかのようです。
　酒造りについて丁寧にご説明してくださった社長さん。大変な社
交家で数々の市民活動にも参加しており、また、熊谷をアピール
することにも熱心で、人の集まる酒蔵をめざし様々なイベントを手
がけています。今まで酒蔵内での「フォークコンサート」や「きき
酒会」、「落語会」を実施しました。イベント時等には、奥さんの作った料理や心のこもったがもてなしが加わり、お客さん同士の会話も弾みます。心地よい時間を過ごし、帰るころには、旧知の仲のようになるとか。権田社長は「コンサートの予定はありませんが、時期をみて計画したいです。」と話されました。

お酒を造るタンクがずらりと並びます。

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タンクによって内容量は異なります。

酒蔵見学
　酒蔵見学もさせていただきました。初めて酒蔵に入る私はウキウキ。外より一段と冷えている酒蔵、そのうす暗さが秘密基地に入っていくような、“特別”という雰囲気をただよわせ、酵母菌や麹菌の神秘的な営みの一端に触れられたようでテンションもあがりました。「階段を上ってタンクを覗いていいですよ。」と醗酵中のもろみの様子を覗かせてもらいました。ふつふつと小さな気泡が上がってきて醗酵しているのがわかり、手で扇ぐとお酒の香りが一気にきます。一つのタンクに6241Ｌ（左の写真）も入っているというから驚きです。細かい工程や作業風景などはホームページをご覧ください。事前に連絡すれば酒蔵見学にも応じるそうです。
　ご夫婦共に話題豊富で、「酒蔵にかけて『蔵しっくホール』と題したイベントでも開いてみようかな。」という具合に話も面白く、ざっくばらんにお話していただきました。

取材日：2010年2月23日／取材記者：みいちゃん

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