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今回の知恵 熊谷人物伝

第106回 熊谷木遣保存会会長
      大塚進一さん(おおつかしんいち)
2010年12月24日更新


くまがやねっと 熊谷人物伝 大塚進一氏
大塚進一 氏
 今回ご紹介するのは、熊谷木遣保存会の会長、大塚進一さんです。大塚建設社長、2009年瑞寶單光章授章。

 熊谷木遣保存会は昭和47年に発足し、平成9年に熊谷市の民俗指定文化財に熊谷木遣として指定されましたが、元々、木遣会として戦後昭和22年頃からありました。そもそも熊谷の木遣は、
江戸時代、江戸の誦師(木遣師)が本町の旧四丁目の組頭小林菊次郎宅に来たとき、先輩たちが伝授していただいた江戸の木遣だそうです。その木遣が代々伝授され『熊谷木遣』として残され、今もまなづるに始まり手古、まえおき、鳶掛、掛束、五尺、鎌倉、締め木遣の土佐等60数種類の木遣が熊谷木遣保存会により伝授され保存されています。


くまがやねっと 熊谷人物伝 大塚進一氏
第三回 地域伝統芸能今昔物語
写真提供:熊谷市教育委員会

木遣とは?
 木遣は、今では祝い事などに歌われているのが多いですが、元々は作業歌であり、いつごろから現在に伝えられるようなものになったかは諸説あり定かではありません。いずれにしても、人の力を主体としていた時代に、重い木や石、あるいは網を曳いたり、上げたりする時に大勢のものが声を合わせ一斉に力を出すために歌ったものです。関東周辺の鳶職仲間で歌われている木遣は、建物の基礎の地形に真棒を足場の上から網で引きあげ落とす時に力を合わせるために歌ったものです。



くまがやねっと 熊谷人物伝 大塚進一氏
八坂神社境内にある木遣塚


木遣を見る機会は?
 江戸時代の文政年間(1818〜29)に江戸風の木遣を伝承したものといわれています。実際、木遣を見てみたいという方は、1月の出初式、7月のうちわ祭(年番送り、7月22日)、11月の地区消防点検に披露されますので、是非現地でご覧ください。


くまがやねっと 熊谷人物伝 大塚進一氏
熊谷木遣保存会 集合風景
今後・・・
 「熊谷鳶組合90周年記念行事(2003年5月25日)を熊谷市本町の熊谷コミュニティ広場(市役所前通り)にて開催しました。30年振りに木遣り棚地形(じぎょう)の作業を復元し、木遣りを歌いながらの地形を行いました。今後も、イベント(第三回 地域伝統芸能今昔物語)やうちわ祭等を通じて、先輩が残してくれたものを保存し継承していきたいと思います。」(大塚氏)



取材日:2010年10月25日/取材記者:みいちゃん
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