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今回の知恵 熊谷人物伝


 明治期の埼玉県の街並みを知ることができる「埼玉県営業便覧」(明治35年発行)には川越に次ぎ、
2番目に大きな商業の町として熊谷が紹介されています。埼玉県の中心地とその機能を示す
埼玉県統計書 人口分布図が町の力を表しています。
 そんなわが町「熊谷」には創業100年を越す「老舗」がなんと100社以上あります。江戸時代、宿場町として栄えた熊谷の名残と旦那衆の心意気をそんなみなさんが受け継いでいます。商業を取巻く厳しい状況がつづく昨今ですが、ここぞとばかりの底力を発揮されている、元気の出るお店(会社)をシリーズでご紹介していきます。第5回目は熊谷市中央にある『五嘉寶の加藤』です。        (ライター Kurihara)


       「さくさくっ」の新食感

第120回  五嘉寶の加藤

      (老舗訪問シリーズ NO.5)
2011年8月23日更新



五嘉寶の加藤
熟練された職人の須藤六郎さん(写真左)は3.6mの五家宝を見事に伸してゆく。
1本のし、2本のし、その正確な手元の動きに見とれてしまうほどだ。

五嘉寶の加藤
上品な五家宝
一本30円。

五嘉寶の加藤
五家宝の由来
 五つの家の宝と書く「五家宝」は、いかにもおめでたく熊谷を代表する銘菓。
 原料にもち米と大豆を使ったヘルシーさが、昨今の健康志向とあいまって注目されている。
 そのルーツはおよそ290年前。伝承には諸説があるが、五穀で作られた「五穀豊穣」の感謝も込め名づけられ、「五家寶」や「五嘉寶」とも書く。古くは「五 嘉棒」(「五箇棒」「五荷棒」という説もある)と書き、松平家、前田家など大名家の宝といわれた由緒あるお菓子だった。
 玉井村(現熊谷市玉井)生まれの高橋中右衛門が、五穀を蒸して棒状にした菓子に黄な粉をまぶしたものが基と言われる。その中右衛門の許で修業したのが水野丑松(水戸屋)と風間浅五郎(風間堂)だった。くしくも、その老舗2軒とも姿を消してしまったが、熊谷市内には12店舗が伝統の味を今に伝える。
 その一つがここ「五嘉寶の加藤」。実兄の加藤昇さんが五家寶のもち米が原材料のタネづくり(写真参照)工場を営み、弟の貞男さんが脱サラをし製品作りに加わりお店を構えた。


五嘉寶の加藤
五嘉寶の加藤

五嘉寶の加藤
こちらは人気の小袋、300円〜。
「名物にうまいものなし」を変えた。
 それぞれのお店ごとに見た目も味も異なるが、ここ加藤の五家寶は「さくさくっ」の新食感にこだわった。
 中身の白いつぶつぶ状のタネと蜜(水あめと砂糖)で作られているが、昔ながらの手法だと、やっかいなことに冬場は固くて歯が立たないほどになり、夏場は気温の高さからタネが溶け出しベトつくという難点があった。これではとても美味しいといえない。「名物にうまいもんなしと昔からよく言われていますが、これは五家寶のことじゃないかと思いました」と貞男さん。年間を通して安定した商品を提供し、なお且つ、美味しさを求め、貞男さんは試行錯誤を繰り返し、伝統的な技法を守りつつも水あめに細工を加えた。あっさりした甘さに、青大豆を原料とした淡い緑色の美しい黄な粉をまぶした皮は風味も豊か。その薄い皮に包まれた五家宝は、口に含んだ時の食感がたまらない。さらにそれまで進物用として重宝されてきた五家宝は箱詰めが主流。バラ売りを考案したもの貞男さんだった。バラ売りを始めたことで、家庭でも気軽におやつとして食卓に上るようになった。


五嘉寶の加藤  無添加の自然食品として今後ますますこの熊谷名物が全国に知れ渡るところと期待したい。

「五嘉寶の加藤」
住所 埼玉県熊谷市中央2-331
電話 048-524-1955
時間 10:00〜18:00
定休 月曜日
*電話、FAX注文も受付中。着払いで発送します。


取材日:2011年6月3日/取材記者:Kurihara
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