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今回の知恵 熊谷人物伝

第136回 熊谷染
大久保伯男さん(おおくぼ のりお)
2012年6月14日更新


熊谷人物伝 <プロフィール>
 熊谷市銀座在住。
 昭和38年4月に吉祥染色株式会社に入社し、染色を学ぶ。
 翌年、大久保染工入社。昭和52年一級染色技能士検定合格。
 同年、一級染色技能検定銅賞受賞。
 昭和56年4月熊谷捺染振興協同組合理事、局長(平成5年)、
副理事長(平成10年)に就任。
 平成12年 埼玉伝統工芸士に認定。
 平成16年 埼玉県伝統工芸産地功労表彰。
 平成17年 埼玉国体埼玉県知事天皇家献上品制作。


熊谷人物伝
木箱入り扇子入れ・名刺入れ(各2500円)


熊谷人物伝
熊谷染鳥瞰図手拭い(1500円)
<大久保さんの活動について>
 平成5年より後継者育成事業を始め、昨年度から4回生が実技を中心とした研修を受けています。
 卒業生には独立した人や伝統工芸士に認定された人もおり、伝統は着実に受け継がれています。
 その一方で、熊谷市の街おこし事業『あついぞ!熊谷』の一環である、創作かき氷『雪くま』の暖簾を作成しました。
 また、2011年より『熊谷染』振興のため熊谷市観光協会(商業観光課内)より委託を受け、日傘・手拭い等を手掛けました。

 『熊谷染』商品は熊谷市役所7階商業観光課にて販売中です。

『熊谷染日傘』 各5000円(4種)
  『藍染にさくら』『藍染にあじさい』『地付にあじさい』(2011年)
  『小紋染 蝶さくら』(2012年)
・『木箱入り扇子入れ』『木箱入り名刺入れ』 各2500円
『熊谷染鳥瞰図手拭い』 1500円(木箱入り 2000円)
   この手ぬぐいは、昭和11年、吉田初三郎画伯により描かれ
  た『熊谷市鳥瞰図』(熊谷図書館所蔵)を大久保さんが、縮小
  模写して型紙を作り、藍染で染め抜いたものです。

*詳しくは熊谷市HP⇒観光・イベント情報
       ⇒『おみやげにいかが?熊谷グッズ』よりご覧下さい。
熊谷人物伝 
熊谷染鳥瞰図手拭い

熊谷人物伝
『糊附せ』作業の様子
<熊谷染の成り立ちについて>
 『熊谷染の成り立ち』についてお聞きしたところ、大久保さんより『埼玉県民俗工芸調査報告書 第8集』の一節を紹介していただきましたので、掲載させていただきます。

 ―――(埼玉県民俗工芸調査報告書 第8集より抜粋)―――
 熊谷の染色関係の年表によると昭和26年に熊谷捺染協同組合が設立され、昭和36年に解散している。そしてその昭和36年に熊谷染作品展示会、及び第1回小紋秋冬向見本市が開催されている。従ってこの頃、初めて「熊谷染」という名称が使われ出したのであろう。それには景気衰退により解散のやむなきに至った業界が翌昭和37年熊谷捺染振興協同組合を設立するに際し、何かそれなりの名称を付して染物を売り出そうという企画のもとに「熊谷染」という名称が付されたようである。
 この設立の際の役員及び組合員は約13名であった。続いて昭和39年には行田繊維工場試験場の協力のもとに熊谷捺染技術研究会を発足させている。この2者は共に綿密な関係にあり現在までその組織は継続している。
 現在、埼玉県伝統的手工芸品に指定を受けている「熊谷染」は友禅と小紋を指している。

熊谷人物伝
『熊谷染』小紋
<これから>
 「現在は作業場を提供し、後継者育成をしています。熊谷染のために公共の伝統工芸会館のような施設を建てていただき、後継者育成・継承事業を進めていきたいと思います。」
                            (大久保伯男さん)


熊谷人物伝
『第47回捺染作品競技会』受賞作品
 平成24年6月2日(土)、3日(日)に『第52回 熊谷染芸展』が熊谷商工会館にて開催されました。
 会場には、熊谷捺染組合『第47回捺染作品競技会』の入賞作品を始め、熊谷染の技術継承者の華やかな作品(小紋、帯、額絵等)が展示されました。
 来場されたお客様は、ハンカチの彩色無料体験で友禅挿しを楽しみました。

 彩色無料体験の様子はこちらからどうぞ。


取材日:2012年3月9日・6月3日/取材記者:なべさん
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