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熊谷人物伝 |
第134回 立岩寺 宮崎公宏さん
(みやざきこうこう) |
2012年4月25日更新 |
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今回ご紹介するのは、立岩寺第21世住職 宮崎公宏さんです。
平成17年に滝瀬山正法院立岩寺住職就任。
立岩寺の縁起
埼玉県本庄市にある滝瀬山正法院立岩寺(滝瀬厄除大師 ぼたん寺)は、天台宗に属し本寺は比叡山・延暦寺で、慈覚大師円仁の開山と伝えられています。
鎌倉時代・嘉禎3年(1237年)当時の地頭・滝瀬主水正光直の子三郎経氏が父の菩提のため堂宇を建立し、父の法名をとり法正院と名付けました。後にその子孫・滝瀬丹次郎実経が、文明8年(1476)堂宇を再興しましたが、戦国時代に五十子合戦の折り古河公方足利勢の宿営となり戦火により焼失。
天正元年(1573)滝瀬丹介は草庵を結んで先祖の霊を弔いましたが江戸時代・寛文8年(1668)に至り、伽藍を再興。 |
同年6月10日に東叡山(上野・寛永寺)より立岩寺の寺号を賜りました。
また『滝瀬の厄除けお大師さま』としても古くから信仰を集め、毎年、正月三日の大祭には護摩が奉修され、だるま市も開かれ大勢の参詣者で賑わいます。
立岩寺の名前の由来
昔、滝瀬村(本庄市滝瀬)の畑の真ん中に大きな石がひとつ立っていました。高さは三尺(約1メートル)くらいで、ちょうど地面に生えたような形をしていたため、土地の人たちは『立石(たちいし)』と呼んでいました。地主が石を片付けようとしたところ、掘っても掘っても底に届かずこの石を片付けるのを諦めたというお話が残っています。
この滝瀬の『立石』が立岩寺の名前の由来となっています。 |
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牡丹園
山門脇から境内奥に続く牡丹園には約130品種1,500株があり、百花の女王の名にふさわしく華麗な姿と多彩な色の花ををご覧いただけます。以前は20株ほどでしたが、昭和60年頃から前住職夫妻が全て手植えし現在の株数に至ります。
園内の『おのちゅうこう詩碑』の脇には江戸時代からの古木(樹齢200有余年)原種といわれる大株や、前住職が自ら中国を旅し |
て手にいれた緑色の花が咲く珍種「豆緑(とうりょく)」など珍しい品種が並び来園者を楽しませています。
見頃は4月中旬から5月上旬頃、ゴールデンウィークまで。
2012年は例年よりも開花が遅れています。早咲きの牡丹もこれからお楽しみいただけます。
おの ちゅうこう詩碑・文学資料館
前々住職と親交の厚かった児童文学者・故小野忠孝氏の詩碑を色彩鮮やかな牡丹が囲みます。
立岩寺長屋門に併設された『おのちゅうこう文学資料館』にはおのちゅうこう氏の詩集や手紙など貴重な展示を見ることができます。 |
元禄2年建築の旧本堂より現在の本堂
(昭和32年建築)に移された天井画 |
年中行事
元旦・1月中 初詣・大護摩
1月3日 開帳護摩・だるま市
2月節分 節分護摩
3月18日 施餓鬼会
4月8日 花まつり(釈迦誕生)
4月下旬〜5月上旬 ぼたんまつり
12月31日 除夜の鐘
年間随時 水子供養 |
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「天台宗を開かれた伝教大師のご意志である『一隅を照らす』運動を推進しています。牡丹園を訪れた人々が心に潤いを持っていただければ幸いです。
ぜひ、立岩寺の牡丹を見に来ていただいて、心を明るくして帰っていただきたい。」
(住職 宮崎公宏さん) |
山門を一歩入ると美しい牡丹の花が出迎えてくれます。
珍種「豆緑(とうりょく)」
蕾の形が豆のようなので『豆緑』と呼ばれています。 |
藤やあやめも咲き、園内を彩ります。
江戸時代からの古木(樹齢200有余年)
他では見られない貴重なものです。 |
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