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ある日の午後。
いまにも雨がふり出しそうでした。
てる男ちゃんは、クラスのふじ太ちゃんとおしゃべりをしながら小学校の門を出ました。
門の前は大通りです。
てる男ちゃんは、左に曲がります。
ふじ太ちゃんは、右に曲がります。
「雨がふりそうだから急ごう!」
ふじ太ちゃんは、すこしあわてていました。
「バイ、バイ・・・」
テル男ちゃんは、手をふりました。
まもなく、雨がポチポツとふり出しました。でも、だいじょうぶ。てる男ちゃんはかさを持っているのです。
けさ、おかあさんに、
「台風が近づいているから、かさを持っていきなさい」
といわれたときは、
(うす曇だから雨はふらないよ)
とおもいましたが、やっぱり、おかあさんのよほうのあたりです。
てる男ちゃんは、かさをさしながら(ふじ太ちゃんは、だいじょうぶかな?)としんぱいになりました。でも、もうだいぶはなれてしまいました。ひきかえすことはできません。
しんぱいしながらあるいて行くと、左ののき下で、しんちゃんが雨やどりをしていました。
(ふじ太ちゃんもいまごろこまっているのかな・・・)
てる男ちゃんは、そうおもいながら
「しんちゃん入りなよ!」としんちゃんをかさの中にさそいました。
「ありがとう!」
しんちゃんは、てる男ちゃんの左がわにはいりました。 |