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2007年3月16日更新
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さとしちゃんとうぐいす
あしたは日曜日。
ひさしぶりに、おとうさんは、会社のせったいもなく、ゴルフのさそいもなく、やすめます。
夕はんを食べたあと、おとうさんがいいました。
「あしたは、日帰りでおんせんにでもいってくるか。」
「うん、いこういこう。」と、さとしちゃん。
おかあさんもにっこりわらって、こっくりをしました。
つぎの日、あさごはんをたべると、おとうさんの運転する自動車に乗って、遠くの山に向かって、走っていきました。
おかあさんはじょしゅせき。
さとしちゃんは後ろのせき。
その後ろのせきで、おとうさんとおかあさんのはなしをきいたり、さとしちゃんからようちえんであったことや、ようちえんのともだちのことをはなしたりしているうちに、山のちゅうふくにあるホテルにつきました。
ことしは、だんとうで、ゆきがありません。
自動車からおりた、おとうさんとおかあさんは、あたたかい、おんせんに入ろうとすると、げんきのいいさとしちゃんが、
「おとうさん、うら山を 、さんぽしようよ。」と、いいました。
「さむいぞ。」と、おとうさん。
「だいじょうぶ。ジャンパーにマフラーにてぶくろをしていけば。」
「わたしはおんせんにはいっています。」と、おかあさんは、さんぽにいきたがりません。
「じゃ、二人で行くか。」
「うん、いこういこう。」
おとうさんとさとしちゃんは、かぜをひかないように、しっかりとじゃんぱーをき、くびにマフラーをまき、てぶくろをして、うら山へ、あるいていきました。
うら山のみちは、ホテルのよこからうらがわにまわり、右はホテル、左は山。その山から、
「ホー、ホー、ホー。」とうぐいすのこえがしてきました。
まだ、うまくなけないのです。
そこで、さとしちゃんが、
「ホー、ホー、ホケキョウ! ホー、ホー、ホケキョウ!」と、ないて、なきかたをおしえてあげました。
それをきいたおとうさんは、
「えらい、えらい。」といって、あたまをなでてくれました。
また、山道をのぼったり、くだったりしながら、すすんでいきました。
すると、こんどは右も山、左も山のところにきました。
こんどは、右の山から、
「ホー、ホー、ホケ。 ホー、ホー、ホケ。」となく、うぐいすのこえがきこえてきました。まだよくなけないのです。
そこでさとしちゃんは、
「ホー、ホー、ホケキョウ! ホー、ホー、ホケキョウ!」と、ないて、おしえてあげました。
おとうさんがまた、
「えらい、えらい。」といって、あたまをなでてくれました。
すこしくだっていくと、こんどは川がありました。川の左のほうが川上です。
二人は、川上のほうにすすみました。
みちはのぼりになっていました。
また、右も山、左も山です。
こんどは、左の山から、
「ホー、ホー、ホケキョウ! ホー、ホー、ホケキョウ!」と、さいごまで、じようずになくうぐいすのこえがきこえてきました。
さとしちゃんは、もう、うぐいすになきかたをおしえることはありません。
おとうさんは、さとしちゃんに、
「つかれたから、おんぶ!」なんて、いわれそうなので、
「もう、かえろう。」と、いいました。
「このさき、なにがあるの?」
「大きなみずうみだよ。」
「じゃ、いこう!」
さとしちゃんは、おとうさんに、
「おんぶ!」っていうどころか、みずうみにむかって、かけだしました。
かえりの自動車の中で、ホテルのうら山であったことを、おかあさんにはなしました。
「わたしもいけばよかったなぁ。もっと、きかせて!」
おかあさんが、うしろのせきにうつってきたので、うぐいすのはなしをゆっくりとすることができました。
取材日:2007年3月12日/取材記者:あきちゃん
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