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2007年4月19日更新

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ふみきりばんのみさ子ちゃん

　みさ子ちゃんのお家のにわは、広いにわ。
　その広いにわで、りほちゃん、こうじくんの三人で、三輪車のでんしゃごっこです。

　三輪車にのったりほちゃんが、犬小屋の方から、池に向かって、走ってきました。
　みさ子ちゃんはふみきりばんになりました。
　ふみきりばんになったみさ子ちゃんは、にわのすみに、すすきが10本、白いほが出ていました。
　その1本を、はさみで切って、ふみきりのさおのかわりにしました。
「チンチンチンチン･････」
みさ子ちゃんは、そういいながら、りほちゃんにせを向けて、すすきを上からおろして、よこで止めました。
　止めてもわたるひとはいません。
　いなくても、ふみきりばんは、三輪車の電車が、ぶじ通かするまで、ふみきりのしごとをしなくてはいけません。

　ぶじ通かすると、みさ子ちゃんは、
「チンチンチンチン･････」
といって、すすきを上にあげました。
　一休みしようとすると、
　こうじくんが、三輪車の電車で、きゅう行になって走ってきました。
「チンチンチンチン･････」
　みさ子ちゃんは、あわてて、すすきを上からおろしました。
　ぶじ通かすると、
「チンチンチンチン･････」
といって、すすきを上に上げ、こんどこそ、一休みできると思いました。
　ところが、今どは、池のほうから犬小屋に向かって、りほちゃん、こうじくんの二人が二両の電車になって、走ってきました。

少しむしあつい日です。
　りほちゃんも、こうじくんも、三輪車の電車にのって、ひたいにうっすらと、あせをかいています。
　一休みしそこなったみさ子ちゃんは、あわてて、すすきを、上からおろして、
「チンチンチンチン･････」
といいながら、よこで止めました。
　止めながら、こしをひくくし、地めんに向かって
「チン！チン！チン！チン！」
といっています。

　その内、みさ子ちゃんは、
三輪車に、すすきで、通せんぼうをしてしまいました。
　りほちゃんと、こうじくんは、あわてて急ブレーキをかけて止まりました。
「みさ子ちゃん、ふみきりが電車を止めるなんて聞いたことないよ。」
と、りほちゃんがおこっていいました。
「ふみきりは、あんしんして、電車が通れるように、あるんだよ。」
　こうじくんも、おこっていいました。
「それはわかっているけど。」
「わかっているけどと言ったけど、ふみきりを、通る人は、いないじゃないの。」
「それがいるのよ。」
「どこに？」
「ほら。」
といって、みさ子ちゃんが、ありにゆびをさしました。

取材日：2007年3月12日／取材記者：あきちゃん

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