奥飛騨に「神岡鉄道」というローカル線があります。
延長19.9kmの路線でそのほとんどが山岳地帯であるため、64%が橋梁とトンネルで、奥飛騨の地下鉄とも呼ばれています。昭和59年に国鉄(神岡線)から第三セクターとなり、旅客と神岡鉱山で生産される硫酸などの輸送を担ってきましたが、輸送人員の減少に加え、唯一の荷主が輸送をトラック、タンクローリーへと切り替えたため、赤字鉄道の存続が困難となり、今年末での廃止が決まっています。 |
「猪谷駅」 |
「神岡鉄道」の起点は、JR高山本線(岐阜〜富山)の「猪谷駅」。岐阜側から行く場合、たどり着くのに苦労します。距離があるだけでなく、平成16年10月の台風23号で高山本線は壊滅的打撃を受け、一部は復旧したものの角川〜猪谷間は未だ不通で復旧の目処さえ立っておらず、代行バスを使わなければなりません。
猪谷駅は、JR東海、西日本、神岡鉄道の結節点であり、また、神岡鉄道全8駅の中でここだけが富山県(富山市)で他は全て岐阜県(飛騨市)と、何とも複雑な位置に建っています。山深い場所にあり、駅前も小さな集落があるのみで、ひぐらしの声がのどかにこだましていました。 |
「おくひだ1号」(左奥に見えるのは富山からの接続列車) |
ひらがな混じりのサボ |
車内には囲炉裏も |
さて、14時55分発の「おくひだ1号」に乗車です。
車内は囲炉裏列車になっていて、集客のための努力が伺えます。
終点の「奥飛騨温泉口駅」までは約30分。その間、神通川とその支流・高原川に沿って進み、特に左側の景色が絶景です。 |
なお、2つ目の「茂住駅」から1.5kmの場所に、ノーベル物理学賞を受賞した小柴博士の研究施設「スーパーカミオカンデ」があります。神岡鉱山茂住坑に建設された東京大学宇宙線研究所のニュートリノ観測装置で、年に一度、夏に見学会が行われています。 |
神岡鉱業鰍フ亜鉛精錬工場 |
「飛騨神岡駅」付近から見た神岡市街 |
また、神岡鉱山前駅からは高原川の対岸に亜鉛精錬工場が見え、周囲には独特の匂いが立ち込めています。付近は市街地を形成しており、山奥の秘境といった情景です。 |
「奥飛騨温泉口駅」 |
そして、終点の「奥飛騨温泉口駅」に到着。木造のしゃれた駅舎は2002年に完成したばかりですが、本年をもってその役目を終えます。駅前からは平湯・新穂高温泉方面へバスが出ていますが、あまり便がよくないため、利用客も少ないようです。
廃止になるのはどこか寂しい気がしてなりませんが、季節ごとにイベントを組むなど経営努力はしていましたので、万策尽きたのでしょう。廃線前に一度乗っておくことができ、よかったと思っています。 |
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