外観
山田静子園長
<山田園長のモットー>
保育園は「家庭の延長線」だと、山田園長は言います。
園児に、こちらから「これをしなさい」と押し付けるのではなく、
園児が自分から育とうとする力を支援するのが
保育園の仕事だと考えています。
<園舎の特徴>
玄関ホールは、『霧島壁』という種類の土壁を使用しています。
山田園長が鹿児島出身ということもあり、
「故郷の霧島壁をどうしても使いたい。」という想いがありました。
霧島壁
また、園児達がはだしで過ごせるよう、フローリングにもこだわりました。
園児達は、フローリングの上をはだしで駆け回ったり、
飛んだり跳ねたりします。
そうすることで、足の裏が丈夫になり、
足腰がしっかり育てられていきます。
階段や廊下の壁には、ところどころにフックがかかっています。
園児達の作品を額に入れてかけるためのものです。
これから園児達の作品が飾られていけば、
にぎやかなミュージアムが完成します。
壁全体に作品が揃う日が楽しみですね。
<手作りのおもちゃ>
園児1人1人の成長に合わせて、
保育士が手作りのおもちゃを作る時があります。
例えば、0〜1歳児は、ティッシュを引っ張り出して遊ぶ時期があります。
ただ「ダメだよ」と叱るのではなく、
『空のティッシュ箱にハンカチをたくさん詰めたおもちゃ』を作ることで、
無駄なゴミを出すこともなく、園児の好奇心を育てられます。
目安時計
写真の目安時計も保育士のアイディアの1つです。
隣には本物の時計があるのですが、
「本物の時計の針が目安時計と同じになったら、ご飯の時間は終わり」、
「目安時計のように、4のところに長い針が来たら、部屋に戻る」など、
時計を見て園児達が行動をできるようにしています。
<異年齢保育>
東北沢ききょう保育園では、『異年齢保育』を取り入れています。
一般的には、同じ年齢でクラス分けをしますが、
こちらでは、0、1、2歳児は年齢別に、3歳以上は一緒に保育をしています。
違う年齢の園児達が接することで、
年長児は年少児の面倒を見るようになります。
年少児は年長児の真似をするので、比較的早く物事を覚えます。
また、「5歳になればこれができるんだ。」といった
憧れや目標の対象にもなりますので、
年少児の成長に良い影響を与えるようです。
日本では、縦社会が基本です。
幼い頃から年上、年下との接し方を身に着けることで、
園児達が社会に出た時のギャップを
少なくしたいという園の狙いがあります。
<山田園長の夢>
これからの園長の夢は、「保育士を育てる」ことです。
「保育士は『生活力』がないとダメ。
おもちゃを作るにしても、
『生活力』がないと良いアイディアが浮かばない。」と
山田園長は言います。
「保育はマニュアル通りにはいかない。
1人1人のこどもの家庭に寄り添うことの大切さを
保育士にはわかってもらいたい。」
園内には、手作りのおもちゃなど、
歴代の保育士による『アイディア』がたくさん溢れています。
こうしたアイディアは、マニュアル通りにしていたのでは思いつきません。
園児1人1人と向き合い、
どうしたらいいのかと考えることで出来てくるものです。
たくさんのことを経験して、山田園長の言う『生活力』を身に付けることは、
園児達の成長の手助けをするために重要なことです。
また、園児達も、ただ単に与えられるのではなく、
自分から成長しようとする力を身に付けています。
園児と保育士とがお互いに成長しあっている
『東北沢ききょう保育園』でした。 |